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あの日の忘れ物
夏休み、私は祖父母の家に帰省していた。
祖父母の家の周りは緑に囲まれ、どこを見渡しても田んぼばかり。
けど私は、こんな田舎でも好きな場所がある。
それは、祖父母の家の近くにある、小さな図書館だ。
「私図書館行ってくる!」
風鈴の音が、夏を彩る。麦わら帽子を手に取り、裸足で玄関までかけだし、靴を履いて外に出た。外の暑さは、帽子では遮れないほどのジミジミとした日差し、体を包む暑い空気。けれど私はその暑さを切り裂くように走り、図書館へ向かった。
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