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世の中にはカリスマとしか言いようのない、圧倒的な実績を叩き出す作家がいる。
ひとたび新作を書けばたちまちミリオンセラー。インターネットのレビューサイトは熱心なアンチコメントが混ざりつつも絶賛の嵐。雑誌にテレビ、ネットと、ありとあらゆるメディアが競って取り上げ、舞台化や映画化の話も当然のごとく舞い込む。
紙の上で言葉が踊っているような筆致はファンを虜にし、一筋縄ではいかないストーリーは他の追随を許さない。
東山田太郎もそんな天才作家の一人だった。
ただし、現在重度のスランプ中である――。
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