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「捨てるのはやめた!」
女は怒ったように、嘴を尖らせて鳥のように甲高く鳴いた。
俺は、戸惑って立ち止まった。
「にゃぁ~ にゃぁ~ みゅぅ~ みゅぅ~」
子猫は、俺の腕をすり抜けて、女の元へと走り寄った。
婆さんは、驚いたように目を見張り
「パトリシア。私のパトリシア。こっちへいらっしゃい。私といっしょに行きましょう。」
と・・・子猫に呼びかけた。
子猫は元の飼い主の女の足元から動かない。
婆さんは、絶望的な表情で子猫を見つめている。
俺は・・・
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