捨て猫 vs 捨て男

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寒い。 今夜は特に冷え込みが厳しい。 小学生くらいの女の子が俺たちを覗き、大きな声で手をつないで歩いていた母親を呼び止めた。 「ママー、子猫とおじさん、捨てられてるよ。寒そうに震えてるよ。拾って帰ろう。このまま放っておいたら寒くて、お腹空いて二人とも死んじゃう。」 「見てはいけません。こういうものは見ないの。」 ママは厳しく女の子を叱った。 「こういうものって・・・ものじゃないよ。かわいそうな子猫とおじさんだよ。」 女の子の優しさが嬉しい。 こんな天使のような女の子のためなら俺はどんな仕事だってするのに。 「いけません。捨ててあるものには、どんなバイキンがついてるかもしれないし、見ず知らずの人を家に入れたりしたら何をされるかわからないでしょ。」 「そうかなぁ・・・おじさん、ごめんね。ねこちゃん、ごめんね。」 女の子は泣きそうな目で俺と子猫を見た。 「お嬢ちゃんの優しい気持ちだけで、心があたたかくなりました。どうもありがとう。」 「にゃぁ~ にゃぁ~」 女の子は何度か俺たちを振り返り、手を振ってくれた。
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