12月

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[19日・20日・21日]  車窓越しに「日本人初飛行の日」の朝陽が見えた。北極圏の「十二月二十八日」を読んだ。氷上の犬橇で明け、犬橇で暮れる一年間。まったく凄い一年だと思う。終点下車。携帯ラジオの電源を入れたが、音声が皆目流れてこない。時々起こる現象だが、原因は不明。舌打ちを打ちつつ、電源を切る。入金機に買物カードを挿し込み、三千円分をチャージした。売店に入り、朝飯を買う。  ケロニ屋のクリームパンとカルボナーラパンを腹におさめた。ゴミを始末してから、休憩場所へ移動した。途中、食堂に寄ることはなかった。通常の補給で足りているらしく、体が水分を求めない(?)のだ。長椅子に腰をおろし、吉川英治の『母の掌の味』と筒井ともみの『手のひらに抱かれた米』を読んだ。  。銀幕に「宿場(まち)外れの煮売り屋」が映し出された。あかなめ食堂の亭主が、ちい○わ、ハチ○レ、う○ぎ…そっくり三存在といっしょに名物の鍋焼きうどんをすすっていた。どうやら、あかなめ氏の奢りらしい。  山本周五郎の『暗がりの弁当』と立原えりかの『母のいなりずし』を読んだ。数分遅れで、地元駅に着いた。飲食街の居酒屋に足を進め、店頭のテイクアウト商品を眺めた。ニ品買うことにする。接客担当のおねえさんに代金を渡した。帰路の途中、スーパーとコンビニに寄った。夕刊紙(ゲンダイ)の見出しは「〔後出しジャンケン〕反撃能力批判」であった。自室に戻り、腕立て伏せを80回やった。 ♞国産洋酒の「富士に磨かれたキリンの天然水」割り。肴は刺身四種と鱈汁。  シーラカンスの日(でもある)の朝。寒い。施錠後、自室を離れた。階段を下り、500メートルほど走った。俺の乗りたい電車が数分遅れでやって来た。座席に座り、アンソロジーを開いた。吉本ばななの『ケンタロウ大好き!』と幸田文の『おにぎり抄』と東海林さだおの『空弁体験記』を読んだ。終点下車。職場へ向かう道中、牛丼屋に寄り、卵かけ丼飯で胃袋を埋めた。  食堂の券売機に買物カードを挿し込み、ホットコーヒーを買った。ケロニ屋のクリームパンを食べながら、コーヒーを飲む。隣りのテーブル席で、等身大ラゴン、同ジャミラ、同ウー、同ギガスが食後の麻雀を楽しんでいた。ルールを知らぬ俺には、何がどうなっているのか、さっぱりわからない。休憩場所の長椅子に腰をおろし、北極圏の「一九七六年一月一日」と「一月三日」を読んだ。  池波正太郎の『弁当(B)』を再読した。池波先生激賛の屋台〔K〕の焼き鳥は冷めても美味しいそうである。地元飲食街の居酒屋に足を進め、テイクアウト商品を二つ買った。近傍のデパートの地下売場に潜り、商品を二つ買った。  帰途、コンビニに寄った。夕刊紙の見出しは「相次ぐ『政治とカネ』に庶民の怒り」であった。腕立て伏せを80回やってから、風呂場で、温水を浴びた。酒食の後に『スパイ大作戦』(第4シーズンの3枚目)を観るつもりである。 ♞国産洋酒の水割り。カマスのフライ、イワシのつみれ汁、にんにくチキン。  白石公子の『姉のおにぎり』と内田百閒の『無塩の握り飯』と永井荷風の『断腸亭日乗(抄)』を読んだ。車窓越しに「回文の日」の夜明けを見る前に、眠りの滝壺に落ちた。気がつくと、終点到着が近いことを告げるアナウンスが流れていた。改札を抜けて、職場に至る道を歩いた。途中、牛丼屋に寄り、朝飯の券を買った。溶き卵に適量の醤油を垂らしたものを丼飯にぶっかけた。  ケロニ屋に足を進めた。第一候補のガトーショコラは品切れ。代わりにクリームパンを買った。食堂に行き、ホットコーヒーの券を買った。窓際の席に実物を運んだ。海底原人(ラゴン)が現れ、隣りの席に腰をおろした。弁当の包みを解き、箱の蓋を外した。今日のおかずは、むきえびのチリソースとじゃがいもの塩蒸し。そして、チンゲン菜のメンマ和え。読後、仮眠。まったくよく寝る男だ。  ラストエッセイ、小川糸の『運動会の栗ご飯』を読み終えた。電車のダイヤに乱れが生じていたが、俺の予定にはほとんど影響はなかった。ラジオを聴きながら、家路を歩いた。話題は「歌声喫茶の復活」について。スーパーに寄り、鮮魚と惣菜のニ売場を眺めた。コンビニに寄り、乳製品を買った。夕刊紙の見出しは「札幌五輪招致の悪あがき」であった。。 ♞今宵の肴は、するめいかの刺身、まぐろのたたき、三野菜の糠漬けなど。 d9f5a06e-bace-45fd-9f7f-231f6c8b3a68
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