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タロットを繰り終えると、その束を僕の目の前に置き、後藤さんはギロリと僕を睨んだ。
片眼がやや潰れているから、マジ怖いんだけど…。
「Aさん、まずあなたの生まれた西暦の数字をひとつずつ足し、それに生まれた月の数字を掛け、日で割ってください。
出た数字に平方根を付け、それを10倍してください」
「すいません。電卓使っていいですか?」
「どうぞ」
なんと、ややこしい…。
後藤さんは丹念に繰ったタロットに、全く手を触れることなく、僕に複雑な計算課題を押し付けた。
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