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今まだあの周辺に住んでいるのか、凪と今でも繋がっているのか、全てに確証はないが賭けてみる価値はあると思った。 果たして、『トモダチ』のヒロキは、件のコンビニいた。レジ打ちしていた。ダルそうに。 「…凪が今どこにいるか?」 空いてるのか閉じてるのかよくわからない、とろんとした目つきでこちらを見やる。 「知ってたらでいいんだけど。」 「うん…うーん?」 「…知らないならいいんだけど…」 「いや、知らないわけでは」 なんなんだ。こちらにはあいにく時間がないのだ。 今日だって店を真理子に一時的に任せてきている。 ヒロキは口の端をあげるやり方でちょっと笑った。 少し、凪の面影を感じた。 結果、お金を巻き上げられたのだが。 社長でも、お金持ちでもないのに…。 しかも、招待状が確実に凪の手に渡っている保証もない。 でも、もし渡すことが叶えば、凪は必ずやってくる。 そこは信用できる。 凪は、――わたしはともかく秋山には――不義理を働くような人間ではないのだ。
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