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「俺はずっと、あなたを探していたから。」 …どういうこと? 思った瞬間、仕切りのカーテンが勢いよく開かれた。 「凪!大丈夫なのか!?」 いきせききって入ってきたのは、眼鏡をかけた、スーツ姿の背の高い男性だった。 いや、この人は…知っている。 「秋山係長…?」 メガネの人が、今気づいたようにこちらを見下ろして目を丸くした。 「有木さん…!?」 秋山係長は、わたしが一年と半年ほど前、派遣切りされた会社の上司だった人だ。 確か本名は…秋山慎吾。 優しくてお人好しで、ちょっと天然なところもあるけど仕事はできるし、何より愛されキャラだった。 なんでこんなところで? 頭がグルグル回って何も考えられない。 「ねえ、この人多分行くとこないよ。うちに来てもらおうよ。部屋余ってるし。」 「え?確か結婚して会社やめるって…」 と言った後、秋山が口をつぐむ。 派遣を切られた時に、思わず結婚の予定があると口走った。 わずかでも、憐れみの目で見られるのが嫌だったのだ。 「行くとこあります。大丈夫…です。」 しどろもどろで答えると、凪が秋山の肩に手を置いて、目線をベッドの脇に投げた。
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