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大きなスーツケース。 「退院した後さ、とりあえず落ち着くまででいいからうち来なよ。」 「えーっと…いや、大丈夫、です。」    高熱のせいか呂律は回らないし頭もまた然りだ。 「でもさ、約束して」 わたしの返答を遮るように、凪が言葉をかぶせる。 「慎吾さんには手を出さないでね。俺たち付き合ってるから。」 凪が秋山の腕に腕を絡めて微笑んだその時から、また記憶がない。
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