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本当の序章
またもや、やっとの思いで指定されたビルにたどり着く。
所持金残り129円
帰りの交通費は余裕で無い。
指定されたビルは思ってた以上におどろおどろしい雰囲気だ。
だが、渋っていても帰りの交通費は湧いてこないので、勇気を振り絞りビルの中に入る。
……全く周りが見えない。それは、周りが暗すぎるが故に起こる現象だ。
なんで電気が少しもついていないんだ。確実におかしい。
俺が困惑していると、突然、何か古いテレビのようなものから、加工された男の声が聞こえてきた。
「ここに、36個のスペシャルボールが集まった。ついに、奴が復活するときが来た…しかしながら、願いを叶えられる者はお前たちの中のたったひとり…愉快なデスゲームの始まりだ……ハッハッハッハッ!ハアッハッハッハッハ………。」
なんだ、これ?お前「たち」っていったい……。
暗闇にもだんだん目が慣れてきた。
周りを見渡すと、自分と同じような経緯でここにいるであろう人たちの影がぼんやり見える。
どうやら、自分はとんでもないことに巻き込まれてしまったらしいと、それだけは理解できた。
何故か意識が遠のいていく、ああ、お母さんお父さん、そして田中とか色々。いつも迷惑かけてごめん。俺もう、死ぬかもしれないや……
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