世界の中心にほど遠い、片隅でひとりごちる

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 「このヤロウすぎて、閉まりかけのエレベーターの扉にねじ込んでやろうかと思ったよ。一緒に階段でも降りようもんなら、あのエッラそうな背中つきとばすよねこれゼッタイね」 「うん気持ちはわかるけど、それやっちゃダメなやつだからね、ダメ、ゼッタイ」 「いつトバされても仕方ないんだってさ!はっきり口には出さなくてもさ、顔に書いてあるってね、お前みたいな選ばれない女、企画にゃいらねえって」 「書いてあっても言われてないなら気にすんのやめたら?自分がキツいだけでしょ~」 「なんで?!ねぇなんで、私また落ちたの?今度のプレゼンは自信あったのに、去年のもその前のももっと前のも採用案を眺めつくして研究して、傾向と対策練って、方向性引き継ぎつつ、新しさもアピールできるよう、そんで今回は、スピーチ講座も受けた、早口って言われるから、しゃべり柔らかくしようと思って、でも勢いはなくしてしまわないよう」 「勢い、ありあまってるもんね~」 「なのに、それでもダメってさ。選ばれない女、ってなんかドラマにできそう・・・」 「できても、あんま見たくならないな~」
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