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「質のいい情報の入手に於いて最も効率がいいのは、実は人脈を頼るということだ。いきなり近所の本屋に行って、数万という本の海から希少な本一冊を見つけるのは無謀極まりない。それどころか、何軒しらみつぶしに歩いたところで成果が出ないかもしれない。普段から本に詳しい人間と信頼関係を作っておくことこそが大切な仕事であり、目的の本を探す一番の近道と言えよう」
縷々は得意げに講釈を垂れているが、よくよく考えれば解決率は〇%である。
「成功したことはないんですよね」
「それを言うな、ムラムラ君」
不名誉なあだ名を連呼されているが、反抗することは許されない。先ほどの覗き事件が誤解であったことは縷々にも再三にわたって説明したが、やはりと言うべきか、信じてもらえなかったのだ。それはそうだ。別室で縷々が着替える中、出入り口付近で鼻血を流しながらウロウロしていたのだ。ムラムラしていたのだろう、と指摘されれば反論は難しい。
今後、縷々が着替える際、俺はお店の外に出るということで決着がついたのだが……。誤解を与えるシチュエーションだったのは間違いないので、許してもらえるだけでもよしとしよう。
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