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縷々らしい返答に苦笑せざるを得ない。
それにしても、縷々は器用だ。本を読みながら普通に歩いている。一度も躓いていないし、障害物も注意を促す前に早い段階で避けていた。あまりにも華麗に避けているので、それ以上意見するのは躊躇われるほどだ。危ない状況になったら大声を出すなり、腕を掴んで引き寄せるなりすればいい。そう思い至り、縷々に代わって注意深く周囲に気を配る。
「そうだ。そろそろ君に本の探し方を教えよう」
「ようやく仕事の話に入るんですね」
縷々は振り向かず、左手で文庫本の背を支えながら、右手の人差し指を立てた。
「一つ、探し本はまずインターネットで検索して情報を集める」
「オーソドックスな方法ですね」
「そうだ。素人でも思いつく簡単な方法ではあるが、意外といい情報が入ったりする。ググれカスという奴だな。勿論、ネット上に存在する全ての情報を鵜呑みにする訳にはいかないが」
「検索で情報が見つからなければ?」
「人脈使えカス」
「……」
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