二章

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しかし酔っているとは思えないほどに強い力で私の手を握る。 「いいじゃないですか!来てくれるってさっき言ってました!」 「言ってないよ!」 「言いました!はぁ…嘘つくんだ…」 「え、ちょ、」 突如泣きそうな声でそう言った彼女に私は降参した。 それに今は酔っているのだから、もしかすると明日になれば今日の会話などほぼ覚えていないかもしれない。それに賭けることにした。 「あー、わかったよ。行くから、ね?だからもうアルコールはダメだよ」 「わかりました!」 ぱぁっと顔を明るくした森永さんは誰が見ても小悪魔だと確信した。 隣で肩を落としながら、ビールを飲んでいると椎名君と目が合った。 「合コン行くんだ?」 「うーん、まぁ…そんな感じかな」 「行かない方がいいと思うけど」 「へ…?」 「だってこの間みたいなことになったらどうすんの?」 「そんなことにはならない!あれは…間違いだから…」 明らかに不機嫌になる椎名君の目は私のそれから絶対に逸らさない。 後ろめたいことも悪いこともしていないのに、まるで責められている気分だ。
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