10617人が本棚に入れています
本棚に追加
もう少しで18時になる。
ちらっと飛鳥を見ると、彼女も俺を見ていたようですぐに目を逸らす。
今日の予定はもちろん飛鳥との予定だ。
「飛鳥先輩は?行きます?」
「えっと…私も予定があって…ごめん。また今度行く」
「了解でーす」
俺は別にバレてもいいと思っているが、彼女はそうではないらしい。
あの夜の件も絶対に他言しないように念を押してきた。
「一緒に会社出る?」
「っ…ちょっと、小声で!」
耳打ちしたが飛鳥にとってはこのボリュームでもダメらしい。
慌てている彼女の反応こそが一番周囲から怪しまれるだろうに。
「先に会社出てるね」
「分かった」
飛鳥は先に「お疲れ様でした」と言ってフロアを出る。
俺も5分後に会社を後にする。
最初のコメントを投稿しよう!