二章

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失恋したばかりの森永さんは早速生ビールを飲み干す。 どうやら彼女は仕事の話題をする気はないようで、ずっと恋愛の話ばかりしていた。どうして私を誘ったのかいまいちわからない。恋愛豊富にはどう見たって見えないだろう。 ただ、森永さんはあれ以来仕事も頑張っていることは伝わってくる。 元々優秀な社員だから私がやらなくとも出来るのだ。 椎名君の言うことはいつだって正しくそして耳が痛いことが多い。後輩を育てる…いずれマネジメントになったら何十人も部下が出来るのだから今のうちに後輩を育てる方にも力を入れなければいけない。上司にも言われた言葉だった。 適当に頼んでいた唐揚げや、お刺身、サラダが運ばれてくる。 「同じ会社内でいい人はいないの?」 「あー。いないですね。告白はされることはありますけど…」 「そうなんだ」 「飛鳥先輩は?どうなんですか」 「私?いないよ、全然いないし好きな人もいない」 「ええ、もったいないですよ!絶対すぐ彼氏できますって」 「どうやって?」 「んー、まずはデートとかしてみるとかどうでしょう」 「デートって…その時点で好きじゃなきゃ出来ないよね。私好きな人もいないから」 「えー、好きな人じゃなくてもデートくらいしますよ。もちろんタイプとか恋愛に発展しそうな人ではあるけど」 森永さんが言うには好きな人ではなくてもデートをするようだ。
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