10人が本棚に入れています
本棚に追加
死神と天使
その日は突然やってくる。
年齢性別に関係なく、金や権力でもどうにもならない事…。
『死』
全ての生物に必ず訪れ避ける事が出来ない運命。
そして、その出来事にはある神が関係してくる。
神と呼ばれながら、誰しもが出会いたくない神と言われる『死神』。
死神執務室で男がぼやいていた。
「はあ…何で私はこうも嫌われなければならないのだ?」
見た目は40半ば、金の短髪に赤黒い瞳、イケメンと言うよりちょいワルだ。
「ゲオルグ様、それは仕方ありませんよ
何せ死を司る神ですから、勘違いされてる人間は多い…
しかも死神の鎌なんて、見るからに恐ろしい鎌を持ってるんですからね」
答えたのはゲオルグの部下で天使長を勤めるレイノルズだ。
見た目は20代後半くらいか?、黒髪をオールバックに固めた長身のイケメンだ。
神であるゲオルグには数多の天使が支えている。
天使はゲオルグの代わりに魂を天界に案内する役割を持っていて、レイノルズはその天使達をまとめる立場にある。
「この鎌は魂と肉体を切り離す為に必要だから持ってるのだ!」
「我々は承知してますが、人間は見た目で決めつけますからねぇ」
レイノルズはゲオルグの性格を熟知している。
「だいたい人間は私の姿は知らないだろ!?
見た時点で死んでいるんだからな」
「そうなんですが、ゲオルグ様が人間界でどう描かれてるかご存知ですか?」
ゲオルグは首を横に振る。
「知らんがお前の顔を見れば、だいたい察しが付く」
「何せ死を司る神ですから…ねぇ」
レイノルズはニヤリと笑った。
最初のコメントを投稿しよう!