登場

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翌朝、岸本が起きると…。 「ふあぁ~…飲み過ぎたかな?」 「…水でも飲め」 「…ありがとう………?」 水を受け取り一口飲むと、岸本は二日酔いの頭をフル回転させた。 (…俺って一人暮らしだよな? …誰?…空巣?…強盗?) 恐る恐る水を渡された方を見る。 そこには金髪で黒スーツの男がいた。 「だ、誰だ!お前!? 何で俺の部屋にいる!?」 「私はこういう者です」 黒スーツの男は名刺を出した。 「あっ、これはご丁寧に…」 名刺を両手で受け取る、サラリーマンの悲しい性だ。 『死神ゲオルグ』 名刺にはそう書かれていた。 (ゲオルグ?外人が何でここに? 死神…死神ってなんだっけ?) 「………!死神っ!?」 「今日は貴様に話し…」 「俺、死ぬのか!?なあ!俺を殺しに来たのか!?」 岸本はゲオルグの話しを遮って騒ぎ出した。 「いや、そうじゃ…」 「やっぱりそうなんだ!何で俺が死ななきゃならないんだ!? 昨日は飲み過ぎたけど、普段は暴飲暴食なんてしないし、毎日一万歩は歩いてるし、納豆やヨーグルトも食べてるし、今年の健康診断でもおかしい所はなかったんだ! まだ結婚もしてないし、やりたいことが沢山あるのに死にたくない!」 「…言いたい事はそれだけか?」 ゲオルグは岸本に冷たい視線を投げた。 「嫌だ!嫌だ!!嫌だぁ!!!」 岸本は後退りしながら、枕や目覚まし時計など手当たり次第に投げつけた。 ゲオルグは軽くかわしながら…。 「貴様、死にたいのか?」 どこからともなく死神の鎌を出して、岸本の首元に突き付けた。 「ひえぇぇぇ!」 岸本はそのまま気絶してしまった。
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