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「泣かないで。おじいちゃまは、清様のおかげで心地よいと言っていました。今もとても気持ちよさそう。」
清は驚き、声が出せない。瞬きも忘れて、開いたままにしている目から、また涙が零れる。
「眠らずに、おじいちゃまの手をずっと握ってくれていてありがとう。」
少女を見下ろすと、まっすぐに清を見つめ返す。数時間前に、大人の男三人が、この緑の瞳を恐れ、騒いでいたというのに。
「綺麗な目。その目、大好き。」
少女がにっこりと笑い、清も真似して笑おうとする。けれど、涙が溢れ、顔がゆがみ、うまく笑うことができなかった。
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