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「役立たずなもんか。清くんのお陰で、俺はこんな穏やかな時間を家族と過ごせてる。」
細川の妻が頷き、ていも涙をこぼしながら頷く。二人が手を伸ばし、細川と一緒に清の頭を撫でる。
「余計なもん背負うな。清くんは立派な男だ。」
清が泣き、六郎、マス、フジも泣く。細川が彼らを見る。
「マスさんも背負うな。マスさんは被害者だ。よく頑張った。俺を救うために、体を張ってくれてありがとう。本当にありがとう。」
マスがぼろぼろと涙をこぼしながら首を振る。「細川さん、細川さん…」と言うものの、その後の言葉が継げずに、しゃくりあげる。
「六郎、血をありがとう。ていも、俺も、お前に救われた。」
六郎は涙を流しながら、細川を見つめる。
「でも、俺はお前を救えてない…」
細川がニッと笑う。
「お前はなんにも悪くない。」
「細川…。」
六郎が呟き、細川が頷く。
「六郎も、マスさんも、清くんも、俺を救った。それが、真実だ。それだけを見るんだぞ。」
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