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「玉村さん、バツ1でも見た目は若いしね。それにイケメンだし。言うことないじゃない」
言う優子に、
「そりゃあ、優しいし格好いいとは思うよ。でも……、年だぜ」
「年じゃないわよ。あんたのパパとそんなに変わらないでしょ」
そうだった。
優子は、信芳を狙っていると公言してはばからない。
信芳もバツ1で独身だ。
いやでも、
「玉村の、……オッサンだぜぇ」
オジサンをわざとオッサンに変えてみた。
玉村は、生まれた時からツボミの傍にいた大人で、誰よりも頼りになる親戚のオジサン。
これまで、彼氏や恋人になんて目で見たことはない。
「でも血の繋がりはないんでしょう」
優子に言われて喉を鳴らす。
そう、ツボミの父親の信芳は天涯孤独で親や兄弟はひとりもいない。
そうなると玉村も、叔父とか伯父ではなく、ただの親しい知人となる。
他人でしかない。
それなのに、ずっと、ツボミの傍にいてくれた。
優子は、
「玉村さん、ツボミが大人になるのを待ってたんじゃないかしら」
そう言って、
「あ、レジ開いた。さっさとパン買っちゃおう」
走って行ってしまった。
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