7.邂逅

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「オマエって本当にわかりやすいよな。考えてることが目に見えるようだよ。じゃ、教えてやるよ。あのなあ…」  試合中には大門寺の選手たちはを身につけてはいなかったそうだ。だからアンダーヘアのご利益(りやく)があったわけではない。そんなものにご利益などあろうはずがない。  勝つには実力だ。そして精神力だ。実力がなければ試合には勝てない。だから大門寺の選手たちは朝錬は早朝6時から、放課後は午後10時まで練習した。もちろん指導したのはキャプテンの春澤さんだ。ある日、これは勝てるぞ、と確信を持てるようになったと言う。体力と技術はここまでが精いっぱいだ。あとは精神的な支えだ。それは立派な大義名分を立てることとは違う。あとでみんなで「あんなくだらないことでも俺たち一生懸命だったよな」と笑い飛ばしてしまえるようなものがいい。――春澤さんはそう思ったと言う。 「それが処女のアンダーヘアだったんですね!」  僕は膝を打った。 「そうだよ。一勝するごとに正真正銘の処女のアンダーヘアを一本ずつ分けてやるって約束したんだ。その結果があれだよ。アハハ、男ってかわいいよなあ! うちは童貞が多かったからなあ!」 一勝ごとに全員に一本ずつとすると、かなりの本数が必要になる。 「オレの趣味だったんだ」 「え、ヘア集めが春澤さんの趣味だったんですか⁉」  おいおい、そんな大きい声出すなよ、寮中に聞こええるじゃないか、と春澤さんは僕にピーナツを投げてきた。
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