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大学での成績は優秀で、寮では寮長で、運動場に出ればスポーツマンで、留学生の前ではすらすらと英語が出て来る春澤さんが、変態だとカミングアウトしている。どんな分野でも徹底的に極める彼が自分を変態と認定しているのだから、きっと度を超えた変態なのだろうと。すると案の定、ファンシーケースの引き出しに手を伸ばし「見ろ」と僕に投げつけてきたものがある。
紺色のセーラー服だった。
へえー、こんな趣味があるのか、とのけ反りそうになった。畳まれていたそれを広げてさらにのけ反ってしまった。スカーフ通しに刺繡された校章…。
「これって…」
「そうだよ。オマエんとこの――城北高校の――セーラー服だよ」
春澤さんが僕たちの高校出身の女子とつきあっているということか。ありうることだ。高校どうしそんなに遠くないし、バスや電車の中で違う高校の生徒同士が知り合い、男女の仲に発展するなんてことはよくあることだ。
一体だれが着ていたのだろう。僕も変態心を起こしセーラー服を撫でてみた。
――え、これは…。
右の袖のラインに墨のシミがついている。
――加奈子……。ま、まさか……。
「彼女が着てたやつ、オレがもらっちゃったんだ。というより、奪ったと言ったほうがいいかな。彼女、高校の卒業式の前日にオレの家に遊びに来たから、セックスしたんだ。相変わらずタイトで入れるの凄く難儀したけど、何とか繋がれたよ。男とやりまくって、アソコが少しは広くなったんだろうな。完全挿入の記念にオレが脱がしたやつは全部もらった。制服だけじゃない。キャミにブラにパンツ。全部奪った。卒業式、いったい何着て行ったんだろうなあ」
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