三章

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導かれるまま、梅園の奥にある東屋(あずまや)に、リヨンは、男と共に腰掛けている……。 そろいの衣を纏う女達が出迎えてくれていた。 様子からして男の(しもべ)のようである。ということは、良家の子息に違いない。 いったいどこでどう用意しているのか、てきぱきと女達は茶を準備して、にこりと微笑み、リヨンに差し出してきた。 その優美な身のこなしに、少しばかり圧倒されて、リヨンはただうつむいている。 「さあ、どうぞ遠慮なさらずに」 いつの間にか、せわしく動いていた女達の姿は消え、東屋には、男と二人きりになっていた。 男の柔らかな物腰が、咲き乱ている梅花のごとく、ふんわりとした安らぎをリヨンに与えてくれた。 こくんとうなずき、リヨンは茶器を口に運んだ。
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