苦くて甘い贈り物

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三学期が始まり一月下旬、寒さはより一層増していた。 僕は冬が苦手だった。 (寒いし、乾燥するし、寒いし...いいことなんか全くない。いや... まあこの冬は例外かもしれない...な。) 今の時期は、所属するオーケストラの演奏会も一段落して、 高校生活にも慣れ、少しだけ余裕ができた。 勉強もそこまで苦手ではなく、テストは平均点以上はとれていた。 友好関係も良く、今日は放課後友達の家にお邪魔して マンガを借りる用事もあるくらいだ。 僕が好む ザ.普通の高校生 をやっていけている。 そんなことを考えていた。 授業を終えてから、楽器の自主練習を小一時間ほどして 友達の家に歩いて向かった。 授業中は、漫画の続きのことばかり考えていて、あまり集中できな かった。
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