15人が本棚に入れています
本棚に追加
『名探偵バリスタ』
少年誌にて連載が開始してから20年も続くロングセラーである。
祖父がマスターである喫茶店で働く主人公。
ある日交通事故に巻き込まれてしまい、気がついたとき
なぜか彼は十九世紀のロンドンに飛ばされている。
頭の回転が早く、謎解きが得意な彼は、スコットランドヤードの
刑事顔負けの推理を披露することによって、警視庁にスカウトされ
る。そこから数々の事件を解決していくという物語である...。
なんでも僕らの親世代の間でも人気だったという。
今では、100巻目前となり、更に注目が高まっている。
「そんなところに置いておくなよー。まあありがとう。」
僕は漫画を受け取り、鞄にしまった。
「おう。ジュースでも飲んでいくか?」
「いや、大丈夫。続き気になってたし、すぐ帰って読むよ。」
そう言って、部屋を後にした。
祐介は玄関まで僕を見送ると言って、あとをついてきた。
「え?え?なにそれ。」
彼は僕の後を着いてきながら、バットを持っていた。
「このあと、庭で自主練すっからよ。」
「あ、そういうことね。殺されるのかと思ったわ。」
僕はほっと胸を撫で下ろした。
「んなわけねぇだろ。じゃまた学校でな。」
口角を上げ、にやりと笑いながら彼は言った。
僕は手を振り、祐介の家をあとにした。
最初のコメントを投稿しよう!