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どうすればいいのか分からない私は、取り敢えずナイフを隠し持ってお母さんのもとへと向かう。
「おかえり。お母さん」
「ただいま戻りました。牡丹さま」
そうお母さんは笑う。
まだ、分からない。
お母さんを殺して、『女王様』で居続けるか。
お母さんを殺さないで、また惨めな生活に戻るか。
でも。
『女王様』デアリツヅケルニハ、オ母サンの犠牲ナンテ、安イ物デハナイカ──
そんな考えが私の頭に囁く。
「──?どうしましたか、牡丹さま」
ナイフを構え、お母さんの前に立つ。
「お母さん……。
私ノ為ニ、死ンデ?」
私はお母さんの上にまたがり、何度も何度もナイフで刺す。
気付いたときには辺りは血だらけで、私はその中に1人佇んでいた。
ピロン、とスマホの通知が来る。
『延長プランの実行を受理しました。
明日より1週間、貴方は『女王様』として生きられます。
ご利用、ありがとうございます』
そう短く書いてあるメール。
アア、コレデ私ハマダ『女王様』デイラレル───
1人になった部屋に、誰のものかも分からない笑い声が響く。
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