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――微かに木漏れ日のような香りが漂った。 (そうか!だから。私はこの娘に……。) ジンは、自分の役目を今更ながらに思い出す。 「麒麟は天界に住む生き物。なのに、どうして、下界に降りてきたと思う?」 蜜のように甘い声が、ケイの耳をくすぐった。 ためらいがちに、顔をあげた彼女に、あの瞳がやさしく語りかけてくる。
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