一
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言われるままにケイは震える手で、矢を握ったが、次には、男の悲鳴が上がった。 「……加減はいらん……抜け……」 矢尻は思いのほか深く食い込んでいる。 苦しむ男を見て、気を使っては、余計痛みが増すのだとケイは理解した。 再び矢尻を握り、渾身の力をふりしぼって一気に引き抜く。 地響きのような男の叫びが上がった後、矢は抜けた。 じっとりとした汗がケイの背中ににじんでいた。
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