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俺は荒野に躍り出た。褐色の大地には草がぽつぽつと生えている。俺の視界に、オーバーオールを着た小太りのオッサンが入ってきた。オッサンは腰を抜かしたのか、尻餅をついている。
オッサンをじっと見ていたら、またサイレンの音が聞こえてきた。後ろを振り向くとパトカーが見えた。こんな所にまで追いかけてくるのかよ!
俺は走り出した。荒野をひたすら走り続ける。
サイレンの音と共に「ドドドドド」という音が聞こえてきた。
振り向くと、鼻に一本の角、頭に二本の角を生やした四足歩行のがっちりした体格の生き物――トリケラトプスがパトカーと並走していた。
何が何だかわからないけど俺は走り続ける。
前方に木が見える。とてつもなく巨大な木だ。上の方が雲に隠れていて見えない。
そのまま走り続けていた俺は、その木に辿り着いた。俺はパトカーを撒くため、木登りを始めた。
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