0.プロローグ やっぱり始まった、運命

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人生の意味。それは何なのだろうか。 僕はその答えを見つけられていない。 暗く深いトンネルの中で、不確かな淡い希望を血眼(ちまなこ)で必死に探している。 もがいて、もがいて、その行為が無駄だったことに気づく。 醜い。 人間とは、こんな生き物なのだ。 学校でも、(はじ)の席の僕は(ひと)り孤独に空を眺めている。 「もうすぐ、この空の色も見れなくなるんだ」 そう呟いたのは、クラスのマドンナでムードメーカー。所謂(いわゆる)スクールカースト最上位勢の陽キャ(トップダイヤモンド)の“乙葉楓(おとはかえで)”だ。 “そんなことを呟いているのはなぜだ?” 僕の頭をそんな疑問がよぎった。 いつも笑顔で皆とキャッキャ騒いでいるやつなのに。 まさか──。 いや、彼女が“それ”なはず無い。きっと妄想(オリジナル・ストーリー)だろう。
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