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小さなウサギは代わりにと言って月のために、仲間を夜に呼んで会を開きました。
せめて月がそれを見て、さびしさを忘れられるようにと思ったのです。
小さなウサギは作ったたくさんのお団子を仲間に分け、みんなにお茶を注ぎながら月に言いました。
「お月様、今日は見るだけになってしまいますがどうぞ楽しんでください。私の仲間たちも、あなたとおしゃべりがしたいと言っています。お月様もいっしょに、今夜は仲良くできたらうれしいです。」
こうして、みんなで少しずつ持ち寄った野菜やおモチ、お団子を食べながら、月とウサギたちの会は始まりました。
月もウサギたちもともに笑い合い、物知りな月にさまざまなことを教えてもらい、それはそれは楽しく過ごしました。
会も終わろうというその時、一羽の仲間のウサギが言いました。
「一羽じゃ大変だった。なら、みんなでやれば、お月様のところに行けないかな?」
それを聞いたウサギたちは顔を見合わせました。そしてすぐにみんなでうなづき合いました。
「そうだよ、みんなでやれば、お月様に会いに行けるかもしれない!」
「みんなで力を合わせよう!」
小さなウサギはそれを聞いて、うれしくなって泣きました。
「みんな、ありがとう…!お月様、きっとみんなでお月様のところに行きますよ!」
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