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次の日からウサギたちは、時間を作ってはせっせと月にあげるお団子を作り、それを積み上げていきました。
手足をよく洗って、まずはとても大きなお鍋に、お団子をこねて、丸めて、ゆでて、そこに積み上げて…
お月様までもっともっと
お月様までもう少し
お月様までもうちょっと…
小さなウサギはその間にも月と話をし、ひとりぼっちの月をはげまし続けました。
月もうれしそうです。
「小さなウサギさん、他のウサギさんたち、本当にありがとう…!」
すると、周りにいた星たちが言いました。
「お月様の、ぼくたちを気づかってくれた優しさに、ずっと言い出せずにいたんです。お月様、本当にごめんなさい…」
星たちは、月が星たちの光が消えないよう気づかって、自分からはなれてくれたことを、ずっと申し訳なく思っていたのでした。
「ウサギさんたちがお月様のもとへ行けるように、ぼくたちもはしごをかけましょう。」
「ウサギさんたちを、ぼくたちもお月様のそばで見守りますから。」
星たちは口々に言い、光でキレイなはしごを作って、月の階段にかけてくれました。
「ありがとう、星さんたち、ウサギさんたち!」
月が言いました。
「ありがとうございます、お星様たち!」
ウサギたちはそう言うとお団子に登りながらみんなでうなづき合い、力をふりしぼりました。
「みんな、お月様とお星様たちまであと少しだよ!」
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