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何日も考えた末に思いついたのは丸ごと変えればいい。 自分の手を捨てて。 素晴らしい手を奪えばいいのだ。 そうすれば美しい手は永遠に自分のものだ。 なんて簡単なんだろうか。 それからは街や演奏会などに出向いた。 多くの手を探し、奪った。 そして理想な手を集めた。 それでも理想に足りない。 もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと探した。 その分いっぱいの手が集まった。 いつの日か気づいた。 こんなにも手があるのなら醜い自分の手なんて切ってもいいことに。                
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