0人が本棚に入れています
本棚に追加
「おっ、奏(かなで)ちゃんもいらっしゃい!」
私も「奏やっほー!」とコメントする。
奏は一年前くらいに夜の配信で知り合って仲良くなった所謂ネッ友だ。
「京じゃん!やっほー!」
とコメントが返ってくる。
奏とは仲良くなってからリアルでも何回も会ったがチャットで会話していた時のイメージそのままの明るくて可愛い子だった。
たまたま同い年で2人でテンションが上がったのを覚えている。
「奏ちゃんは今日も元気がいいねぇ」
夜くんがまるで子供に言うように軽くからかう
「子供扱いすんなよ!」
すぐに奏が反応する。
聞いたところ奏と夜はかなり長い付き合いらしい。
「まあ、ただの配信者とリスナーの関係なんだけどね。」
奏は笑いながら言っていたが、
遠くを見つめる目にはどこか冷たさが混ざっていた。
私はその冷ややかな目をした奏の姿を今でも鮮明に思い出せる。
私と同じ匂いがしたから。
夜の配信を聴いているといつのまにか眠りに落ちていた。
自分でもかけていたのかうろ覚えな乱暴に鳴り続けるアラームが華の眠りを妨げる。
朝がそれほど強くないので半分無意識で朝食を食べ、大学に行った。
習慣になっていることというのは意識しなくてもできるということに気づいたのは最近だ。
今日は珍しくI限に授業が入っていた。
最初のコメントを投稿しよう!