華の日常

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I日の大半を配信やネットサーフィンに費やしている私でも大学の友達がいないわけではない。 かといって、いつも一緒に遊びに行くほどのなかでもない。 せいぜいたまにご飯を食べに行く程度だ。 少し早く着きすぎた。 講義まではまだもう少しあるので適当なベンチを見つけて腰掛ける。 「お姉さん何してんの?」 スマホから顔を上げると数人の男の子たちがこちらを覗き込んでいた。 「これから授業なので。すみません」 と言ってその場を後にしようとした。 男の子たちは私の背中越しに何か言っていたが聞こえないふりをする。 自分で言うのもなんだが私は顔だけならそこそこ整っていると思う。 よく、喋るとダメだねと言われる人がいるが、 私はその典型的な例だ。 そもそも無口だし、喋ったら喋ったでテンパって思っていることも上手く伝えられない。 おまけに性格も根暗。 だから男の人と付き合ってもすぐに飽きられて別れてしまう。 大学の講義が始まった。 「えー、ここの理論はこの物質が…」 教授のよく分からない説明は私の耳を即座に、右から左に抜けていく。 だから窓の外の葉が混ざった桜を眺めながらボーッとしていた。 だんだんと教授の声も聞こえなくなっていく。 ……どれくらいの時間がたったろうか。 我に帰ると講義が終わる5分前だった。
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