年越師匠

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「とりあえず、お餅。まあ、安静にね」 源田さんはそう言って玄関の戸を閉められました。 そして直ぐに戸は開きます。 「あ、良いお年を…」 源田さんはまた戸を閉められ、行ってしまわれました。 先生は食堂の椅子に座り煙草を呑んでおられました。 私は先生の傍に行き、 「先生、大丈夫ですか」 と訊ねました。 「大丈夫だよ。皆大袈裟なんだよ」 先生はそう仰り、煙を吐かれます。 私は自分の椅子に座り先生を見ておりました。
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