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「あの…どいてください」
男をキッと睨みつけるが、動じるどころかニヤリと笑っている。
「あんた、瑠衣に似てねぇんだな」
男の肩にかけてあったタオルがファサッと落ちる。
「父親似ってとこか……ふぅん」
男が私の両手を片手で掴み、上で固定する。
(!?…やばい、身動きが取れない…)
じたばた暴れてみても、大人の男の人に子供の私がかなうわけもなく、無駄な足掻きだった。
男は私の顎に手をやると、クイッと上へあげる。
「なっ………なにするの………っ」
「俺の好みの顔だ…お前、俺の女にならねぇ?」
「…は?」
こいつは何を言っているんだ。
頭の中がぐるぐると回転する、訳が分からない。
(でも、これ以上は危険…っ!!!)
僅かな隙をついて私は押さえつけられた腕を振りほどいて部屋の奥へと逃げようと走り出す。
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