17人が本棚に入れています
本棚に追加
/67ページ
・・・・・・
クリスマスシーズンを迎えた夜の街。
どこもかしこもキラキラとしていて、歩く人の表情も明るい。
眩しいくらいだ。
「ねぇ、ママ!僕ね、サンタさんにゲーム機をお願いするんだ!!」
「あら、そうなの?じゃあホットミルクとクッキーを用意しなくちゃね」
子供の無邪気な笑顔に、目をくらませた。
(サンタクロースなんかいないのに。。。)
生まれて17年、私にサンタなんか来なかった。
もちろん、サンタクロースが現実にいるとも思っていないし、本当の事も知っている。
私の両親は冷たい人達だった。
「父」は母にも私にも興味がなく、優しい言葉なんかかけてもらったことがない。
ましてや私が3歳の時に海外に単身赴任に行ってから1度も顔を見てないのでうろ覚え状態だ。
「母」は私が物心ついた時からホストに通いつめていた。
帰ってくるのは夜中か次の日の昼頃。
酷く酒臭く、また酒のせいか普段よりももっと気性が荒くなる。
暴言はもちろん、暴力を振られたこともあった。
最初のコメントを投稿しよう!