・・・・・・

1/6
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/67ページ

・・・・・・

 クリスマスシーズンを迎えた夜の街。 どこもかしこもキラキラとしていて、歩く人の表情も明るい。 眩しいくらいだ。 「ねぇ、ママ!僕ね、サンタさんにゲーム機をお願いするんだ!!」 「あら、そうなの?じゃあホットミルクとクッキーを用意しなくちゃね」 子供の無邪気な笑顔に、目をくらませた。 (サンタクロースなんかいないのに。。。) 生まれて17年、私にサンタなんか来なかった。 もちろん、サンタクロースが現実にいるとも思っていないし、本当の事も知っている。 私の両親は冷たい人達だった。 「父」は母にも私にも興味がなく、優しい言葉なんかかけてもらったことがない。 ましてや私が3歳の時に海外に単身赴任に行ってから1度も顔を見てないのでうろ覚え状態だ。 「母」は私が物心ついた時からホストに通いつめていた。 帰ってくるのは夜中か次の日の昼頃。 酷く酒臭く、また酒のせいか普段よりももっと気性が荒くなる。 暴言はもちろん、暴力を振られたこともあった。
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!