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「萩花、明日は友達と遊びにいくんだっけ。」 「うん、ラビットランドに若葉ちゃんと久留美ちゃんとね。」 夕ごはんを食べているとパパに聞かれた。 本当は久留美ちゃんの彼氏が友達を連れてくるからグループなんだけど、男の子がいるなんて言ったら過保護なパパと(そら)くんが絶対反対して行かせてもらえなくなるから黙っている。 だって高校生にもなって友達を家族に決められたくないもん。 まぁ宙くんは家族じゃないけど… 私、高階萩花(16)はいまだにラブラブなパパとママ、それに弟と妹の五人家族なんだけど、物心つく前から半同居人がいる。 ママの友達の宝田宙くん(35)。 しかも私の婚約者と言うことになっているらしい。 幼い頃からずっと一緒だから宙くん自体に抵抗はないけど、恋に夢見るお年頃の私からしたら、夢を見る相手ではない。 会社でそれなりの役職に就く宙くんの相手が私みたいな高校生って借金のカタ?とか心配になった時もあるけど、パパの会社も順調だし宙くんたってのお願いで一応婚約者というか許嫁という関係にはなっているが、パパは私が高校卒業する時までに宙くんと結婚したいと思わなければ婚約解消すると常に言っている。 学校は春休み中だけど、パパも宙くんも平日だから仕事があるし思いっきり羽を伸ばそうと決めていた。
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