6人が本棚に入れています
本棚に追加
「お兄様、酷い」
と言うビビアン
「おっ?」「来るか?」
と三紳士。しかし、今日は兄の手前、別のキャラクターを演じていた。
「何がだ?」
とロイ。すると、ビビアン言い訳がましく。
「私は確かにお金儲けはしています。
あれは確か、今日のような雪の日でした。」
「今は夏だ雪は降ってない!」
「お兄様、話の腰を折らないで」
「続けろ」
とロイ。
「私が慈善事業でシスター達と、炊き出しをしていたときです。年末の寒い日、
そうまるで、○ろろの様な感じの日でした」
「何だ?お粥でも出していたのか?」
「サンドイッチです、それとコーヒーとシチュー」
「サンドイッチ?汁物が2つか?」
「いえ、豚汁に、トマトジュースに烏龍茶、ロイヤルティーに、白湯まで用意しました」
「ドリンクバーか?」
「お兄様、話が進みません」
「ハイハイ」
「そこへ、見るからに反社的な格好をした、
鼻の下に髭を生やした、パンチパーマの金持ちそうな男の人と、二人のチンピラ然としたチンピラがやって来たのです」
「容姿は良い早く進めろ」
ビビアンはキッと兄を睨んだ。
ロイは判った判ったよ、と首を縦に振り黙った。
「その方はこう言ったのです」
「よう、ねぇちゃん、可愛い顔をしているな、こんな寒い日に、こんな事をして楽しいかい?」
「多分、私が好みのタイプだったのでしょう。私は」
***
「どうぞ兄弟、召し上がっていって下さい、
神の前では皆平等です」
と言ったのです。すると
「俺達ゃ悪党だぜ」
「神の前では皆罪人(つみびと)です」
「あはは、面白いことを言う、じゃ頂くかな?」
「親分、こんなちんけなものを、レストランへ行きましょう、予約入れます」
と部下のチンピラ。すると、親分。
「ふん!お前ら、こう言うものは食ったことがないんだろうな、俺はあるんでな。懐かしいんだよ」
と言った。
「どうぞ、どうぞ、皆さん食べていって下さい」
ビビアンは太陽の様な笑顔で三人に
サンドイッチと豚汁を振る舞うのでした。
彼らは用意された、テントのテーブル席に
腰掛けて、それらを食べていました。
私はその様子を見ていました。
何故なら、あまりにも反社的なので
他の人が、怖がっていたからです。
シスター達も、目すら合わせませんでした。
最初のコメントを投稿しよう!