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「グスッ、グスッ、それから、その人はどうなった」
ロイは鼻水を垂らして泣いていた。
セレブ組の部下達の何人かも、鼻をすするのが聞こえた。
しかし、悪魔的セレブ達はニヤニヤ笑っていた。
「何やかんやあって、今に至るです」
と、突然ビビアンは話を終わらせた。
ロイは呆気にとられていた。
悪魔的三紳士は酒を煽り複雑な顔をして
ビビアンを見ていた。
「何故やめる、お前は、その人の下で働いているのか?」
とのロイの質問に。
「どうやら、私の三流、大衆演劇講談は、
セレブには退屈なようです。食事を始めてしまいましたわ」
と、言うと。
突然、軽部がオオーンと泣いた。三紳士は
「あら、もう起きた、こいつの体力は魔族並だな、致死量飲ませるんだった」
「確かに、しかも、厨房スタッフは、ジャンジャン料理を出している、大したもんだ」
ビビアンの話を聞きながらも、セレブ達は
スタッフに食事を用意させていた。
それは、まるで観劇かデイナーショーの様相を呈してきた。
「クズどもめ、生まれた時から金持ち。
何の苦労もなく、当たり前の悪党人生、
嘆かわしい」
とロイ。すると、ビビアン、シリアスな雰囲気が嫌なのか
「あっ、再現VTRにするんでしたね。
私の知り合いに劇団がいますから、頼んだものを。猫の縫いぐるみが可愛いんですよ~。
お兄様ったら、突然いらしたりするから、
妹とはいえ、女性を訪ねる時は連絡ぐらい
するのが礼儀ですよ。お兄様モテないでしょ」
「あほ!一々連絡などするものか、これは仕事、懲戒、戒告、訓戒だ。そんな事より、
その男の下で悪さをしているのか?金の為に
だったら止めろ、ろくなやつじゃない」
とロイが言うと。
ビビアンは空を見上げるように。
「あの方は、天にめされました」
と言った。
すると三紳士は、ガバッと体を挙げて
「出たー!天に召されましたぁ!」
と大声を出した。そして、こそこそ
「殺したのか?」
「奪ったのか?」
「敵に売ったのか?警察に?これで謎が解ける!」
と興味津々、大盛り上がりで話していた。
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