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それは、遠い近未来。
えっ?遠いのか?近いのか?はっきりしろ!と言いたい頃。
神は人類の堕落に愛想が尽きて、ついに見捨ててしまった。地上はアホと魔法と悪魔の巣窟となり。世は荒れ、人々の心はすさんでいた。
だが、神には一つの策があった。
姪っ子の(そんなのいるのか?)ビビアンを、地上へと向かわせたのだ。
彼女は悪の蔓延る世の中で、ダ天使として地上を混乱から救う筈だった、のだが。
彼女は最悪で、悪魔達からこう呼ばれていた。生粋の悪党だと。親の顔が見たい、いや、おじさんの顔が見たい、と笑っていた。
冷や汗を、かきながら……。
「おい、今日ここに、あのビビアンが召喚した、最終兵器が御披露目されるそうだな」
山高帽を被り場末のバー、バル?のカウンター席に三人の紳士が座って話をしていた。
正面に立つマスターは、コスプレなのか何なのか、鬼の様な角の生えたケルベロス的なお面を被っていた。型から入る人なのだろう。
三人の紳士はゆで卵を食べていた。
そして血の様に赤いワインを飲んでいた。
一人は健康に気を使ってかブラッディーマリーを飲んでいた。
と、そこへ、ジャジャーン!と派手な格好で現れたのはビビアンだった。
店の入り口ではなく、裏口バックヤードから現れるところは、まるでショーをやるためにやって来た、ショーガールかダンサーだった。
派手な格好とはいえ、それは一般女性の派手さで、決してユーチューバーやダンサーの様な格好とは言えなかった。
やり手の、IT女社長的、白と赤と黒のスーツとスカート、そしてあみあみの柄の入った水商売的なストッキング姿であった。
何とも、健康なる成人男子なら、そそられる、お話をしたくなるような女性だった。
この手の女性に年齢など関係無いが、20代そこそこの若さと、30代位の色気と、そして40代位の、こなれた感じが漂っていた。
彼女に本当の年齢を聞いて
地獄?いや、天国へ召されたい者は、
そのバーには一人もいなかった。
そして、そんな不粋な真似をする者もいなかったのだ。
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