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#13
「これが他殺の動かぬ証拠よ!!」
アイアイは吹き飛んだ用紙を指差し自信満々に宣言した。
「ぬうゥ……!! 何がだ」
しかしまだ馬場一朗は諦めないようだ。
「まだわからないようね。それでもミステリー作家なのかしら!!」
彼女は飛んでいった遺書を追いかけ拾った。
「うるさい!! 遺書が吹き飛んだから何だッて言うんだ!!」
「良いかしら!! 被害者が、もし亡くなる前に、ここへ遺書を置いたらどうなると思う?」
手に持った遺書をヒラヒラとさせた。
「ぬうゥ、そうか!!」
オレもハッとした。
「やっと、ポチもわかってくれたみたいねェ……」
ニッコリとアイドルスマイルを浮かべた。
「うッ、るさい!! ポチじゃない」
まったく。
「あの夜、被害者の岬先生は蒸し暑かったので扇風機を回して仕事をしていたのよ」
「……!!」馬場は無言で睨んだ。
「そして、あなたの用意した青酸カリ入りのワインを飲んで、床へ転げ落ち亡くなった」
「なッ!!」
「だけどマズいコトに、ちょうど落雷があり照明が消えてしまった。
あなたは停電だと勘違いしスマホの明かりを頼りに、パソコンのキーボードの上に用意した遺書に見立てた手紙を置いて逃げ出したの!!」
「うゥ……!!」
「馬場先生……!!」担当の夏八木も愕然としていた。
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