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「つまり停電になる前に、ここへ遺書を置けば扇風機の風に吹き飛んでしまうッてコト。  担当編集が遺体を発見した際、ここにはずはないの。  だから停電になったあとのよ。そうでしょ!!」  アイアイは馬場を指差した。 「な……!!」 「あの時、落雷がなければブレーカが落ちるコトはなく、あなたはこの扇風機のスイッチを切って逃げ出したかもしれないわ。  だってここに遺書を置いておけば吹き飛んでしまうから」   「うゥ……」 「さァ、大事なことなので、もう一度、言って差し上げましょう!!」 「なにィ!!」 「あなたが、!!」  さすがに現役アイドルだ。  アイアイは華麗にクルクルと舞って、容疑者の馬場一朗を指差した。 「うゥ……」  ようやく馬場一朗も観念したみたいだ。  ガックリと肩を落とした。 「さァ、ポチ!! あとは地元の警察に任せて私たちは東京へ帰りましょ!!」  慌ただしくアイアイはオレの腕を引っ張った。 「なにィ……!! バカ言え!!  なんで俺たちが逮捕しないんだ!!」 「おバカさんなの!! ほらァ、もうこんな時間じゃない!! ライブリハに間に合わなくなるわ!!」  アイアイはオレの腕時計で時間を確認した。 「ぬうゥ!! ライブリハだとォ!!  ふざけるな。犯人逮捕とどっちが大事だと思ってるんだ!!」   「そんなの、もちろんライブリハよ!!」 「なッなッなんだとォ!!」  バカなのか。この子は。  ☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。
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