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「これはあなた方のデビュー作。  ペンネームの元にもなった『明日はトモロー』シリーズの第一作ですねェ!!」  アイアイは手に持った本をかざした。 「ああァ……、そうだが」  馬場一朗は不貞腐れたような口ぶりで視線を逸らせた。 「この作品はデビューする前にあなたが企画立案し、すべてプロットも組んだ。  しかしあまりにも小説にしては表現が稚拙だったので、幼馴染みで親友だった岬 友和先生が書き直したモノね」 「あ、ああァ……!!」 「そして応募した作品が大手出版社の新人賞を取り、その後、出版され漫画化、アニメ化され人気になった。  あなたに取って子供のような作品だった」 「ふうゥン……」 「けれども、岬先生は自由に書きたくなり、徐々にあなたのプロットを無視し、勝手にストーリーを作っていった」 「……」 「そして次回の『明日はトモロー』でヒロインは殺され、最終回としようとあなたに持ちかけた」 「……」馬場一朗は黙って聴いていた。
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