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#8 これでおしまいだ!!
「そして次回でヒロインが殺され、最終回にしようと、あなたに持ちかけた」
「……」
「しかしあなたの頭の中では、主人公とヒロインは結ばれ、ハッピーエンドになるはずだった」
「くぅッ!!」
馬場一朗の頬が痙攣するようにピクッと動いた。
「なッ、そうなのか」
オレも知らなかった。
「なぜなら、このヒロインはあなたが中学生の時に亡くなったお姉様がモデルだから!」
「……」馬場一朗は黙って眉をひそめた。
「うゥン……、なるほど」
オレも腕を組み唸ってしまった。
「だけど岬先生は強引にコンビを解消し、次回でヒロインを殺し最終回にしようとして、手紙に『これでおしまいだ』と認め、あなたへ送ったのよ!!」
「!!」馬場一朗は聴きながら遠くを見つめている。
初夏の日差しが眩しい。
「そうか。その手紙の一部を抜粋して遺書に見立てたッてワケか」
ようやくオレにも納得できた。
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