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 ようやくオレにも納得できた。 「うゥ……、知らない。そんな手紙など」  しかし馬場一朗は首を横に振って否定した。 「まだバックレる気!!」  さらにアイアイは追討ちをかけていく。 「なにィ!!」 「だいたい、ここに遺書を置くことなど、殺された岬友和先生には、ンです!!」  おもむろに、アイアイはパソコンのキーボードの上を指差した。 「絶対に……、出来ないだとォ?  ふざけるな!! どうしてそう言い切れるんだ!!」  すぐに馬場一朗も反論した。 「理由は簡単!! 落雷によってこの別荘のブレーカが吹っ飛んだからよ!!」 「ブレーカが……!?」 「そう、あなたはワインに青酸カリを入れ、共同執筆者(パートナー)の岬友和先生を毒殺した!!」 「ふざけたコトを言うな!! 証拠もなしに断言するなッて言ってるだろうッ!!  友和はスランプで書けなくなって、うつ病で発作的に服毒したんだ」 「いいえ、カレは決して自殺はできません。  ここに遺書を置くことは岬友和(カレ)には不可能だからです!!」 「不可能だとォ!! だから、どうしてそう言い切れるんだ。   ちゃんと証拠を出せ!!」
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