0人が本棚に入れています
本棚に追加
「それだけやれば、私が六億七千万円もらえるのね?」
「はい、間違いございません」
「わかったわ、今からコンビニ行ってくるから」
「ギフト券をご購入されたら、またお電話いたします。十五分後でかまいませんか?」
「ええ」
「了承しました。この度はご当選まことにおめでとうございます」
智子は小さくため息をついて、電話を切った。
そして、小声でつぶやいた。
「バーカ、そんな手に引っかかるかよ」
五分後、待ち合わせの相手である弘が走ってきた。
「ごめーん、待った? 遅くなったね、悪い悪い……」
「大丈夫。今、面白い電話があったから」
「電話? 誰から?」
「詐欺師からっぽかった。暇だったから、しばらく相手してやったけど」
「ハハハ、詐欺師か。電話の相手も俺たちの正体を知ったらびっくりするだろうな」
「それより、弘。お金はいつ受け取りに行くの?」
「十一時半だ」
「ちゃんと五百万、用意してるかな? あのおばあさん」
最初のコメントを投稿しよう!