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「マヒナの手があたたかいんですよ」
「で、でもこのままじゃ風邪ひいちゃいます。はやくお風呂に」
「お風呂なら、夕方に入ってるよ。マヒナももう入っただろう?」
「あ、じゃあ、お布団!」
その言葉にキヨミネが目をまるくする。
「それって、誘ってる?」
「……い、いえ」
「一緒にお布団はいって、あたためてくれるんだ?」
時計の針はすでに午前零時をまわっている。お蕎麦を食べて、熱燗を呑んでいるうちに年越しを迎えていたらしい。このまま彼と布団にはいったら……マヒナが潤んだ瞳で彼を見やれば、勝ち誇った表情でキヨミネが彼女の身体をぎゅっと抱きしめる。
「三が日の予定はないから、このまま寝正月といこうじゃないか」
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